#04B棟 本物への探求

B棟は典型的なヨーロッパ型住宅に見られる平面構成。
中央の階段室を軸に、玄関、リビング、ダイニング、キッチン、ユーティリティが回遊できる合理的なプランで、これをベースにしながら、家族構成や好み、土地の形に合わせて、平面プランを柔軟に変更することができる。
B棟の特長はなんといっても自然素材の多用。経年変化で味わいを増す素材や仕上げを、メンテナンスしながら使い、豊かな風合いを感じながら暮らすことができる。
1階エントランスの床は大理石の寄せ張り、リビングダイニングのフ ローリングはウォールナット材のヘリンボーン張り、壁はフレスコ画の修復材に用いられる顔料で仕上げるベネチアンスタッコ。
ドアや窓枠も室内側は濃茶色というシックな仕上げだ。
このベネチアンスタッコはイタリアではたいへんポピュラーだが日本では扱える職人がおらず、建設にあわせてイタリアから呼び寄せた。
これらの素材が組み合わされた時に、本物の素材のみが持つ重厚感 のある空気を醸成する。

やや寒冷地を想定し、開口部は大きくはなく、しかしいずれの空間にもバウンドする照明で構成、その分光の移ろいが優しい。
だからこそ、玄関から入ったとき吹き抜けから落ちてくる柔らかな光や、階段室から漏れ差す光の表情が、B棟の落ち着いた佇まいの重要な要素となっている。
風除室、玄関、リビングは上吊りのスライディングドアで仕切られ、締めた状態でも空間の広がりを感じさせ、開け放てば大空間になり、自宅で相当人数のホームパーティーも可能。
玄関で来客者を迎え、コートを預かり、キッチンからウェルカムドリンク。
そんなエレガントなライフスタイルを描いている。

▲モデル棟のインテリアは竣工当時のもの

ページ上部に戻る