桜井さん Sakurai
日本の住まいを
豊かにする使命。
それを果たすための
グローバルな視点。
主に年に一回発表する新製品のデザインと設計を担当しています。コンセプトを決めるブランド戦略責任者、それを元にアイデアを出すデザイナー、そしてデザインを素材や製法に落とし込む旭川ファクトリーなど、関係者と何度もディスカッションを重ね、意見を集約しながら少しずつ形にしていくのが当社の製品設計のイメージ。
基本的に1製品を1人で担当するので、デザイナーとも一対一でかなり密にやり取りします。また品質や生産効率、コスト面など様々な要素のバランスを取るため、旭川ファクトリーと一緒に何度も試作を繰り返します。
自社工場だからこそ気兼ねなく意見をぶつけ合えて、純粋に良いものづくりを追求できるのは本当に面白い。そこは当社ならではの強みであり、仕事をしていて一番好きな時間です。最初の構想から製品ローンチまでは平均約2年がかり。発売後も常に改善改良を続けていくので、この仕事に終わりはないんです。
当社製品は海外のデザイナーによるものも多く、世界の第一線で活躍する彼らとコミュニケーションを取れることがすごく良い刺激になっていると感じます。
私がコンセプト段階から主となって設計した初めてのソファは2017年に発表した〈ブール〉で、フランス人デザイナーのデザインを日本のマーケットにどうフィットさせるか、ということが大きな課題でした。日本の住宅に搬入できるサイズに分解する仕組みをコスト内でどう実現するか、デザインを生かしたまま当社の基準を満たす強度を出すにはどうするか。
苦労が絶えなかった分、ひとつひとつクリアしていく中で学びも多かったです。また、課題解決の過程で出るファクトリーからの意見は私の想像を超える提案も多くあり、改めて当社スタッフの知識量とプロ意識の高さを感じる機会でもありました。
完成した〈ブール〉は、ありがたいことに今当社ソファの中でも人気モデルになりつつあります。製品が売れるというのはお客様が僕たちの思いを受けとめてくださったということで、それが目に見えてあらわれることは何より嬉しいですね。
元々、海外でプロダクトデザインの仕事をしていたこともあり、グローバルな感性と日本人ならではの細やかな視点、両方を追求したいという意識は常にありました。
イタリアで生まれたアルフレックスというブランドを日本で50年もの間続けてこられたのは、先輩たちもそんな思いでものづくりに取り組んできたからかもしれません。同時に、これからもっと世界に広く目を向けて新しい技術や素材を取り入れながら、アルフレックスにしかつくれない製品を追求し、日本の住環境をもっと良くしていきたいと思っています。
一緒に働く人には、そういったものづくりに対する冷めない情熱と、これまでの概念にとらわれずチャレンジしていく好奇心を持っていてほしいなと思います。