#06C棟 佇まいが変化する住まい

ウィークエンドハウスを想定したC棟は、外壁のタイル、内装のテラコッタなどの自然素材を用いながら、週末を豊かに暮らすためにどの部屋からも視界に自然が感じられるように配慮されている。
それぞれのスペースはコンパクトながら縦方向の軸線が意識づけられていて、伸びやかさを感じる室内だ。
収納で仕切られた1階のリビングとダイニングスペースはオープンにつながりながらも、段差があることでお互いを視線に入れず心地よく空間を仕切る。
ダイニングから見える外の風景は、リビングに邪魔されることなく額縁に切り取られたように美しい。

C棟は玄関周り、階段周辺など機能を限定しないスペースにゆとりがあり、また部屋と部屋の間や階段のコーナーなど、移動する中に様々なシーンが盛り込まれ、住まい全体にゆとりや表情を生み出している。

カーサミア河口湖の開設から30年以上。
どんな時代にも毎年美しい自然が巡り、建物は経年変化によって味わいを増した。
驚くほど成長した樹木で景色は大きく変化し、年月は施設全体に豊かな風格を与えている。
現在はアルフレックスジャパンの製品や空間づくりを体験できる場として、ビジネスクライアントを中心に見学やイベントが行われている。
そしてこの30年余にわたりアルフレックスのカタログ用のシューティングは、常にここカーサミア河口湖が中心であった。
いつ、どのような家具をセットしても全く違和感なく収まる。
見返してみると家具には多少の年代を感じても建物は全く色褪せない。
どんな暮らしのエッセンスも受け入れ、様々な個性を発揮してくれた。
住まいとは、年月を重ねながらこうして人の生活を包み込む深い度量があるべきなのだと教えてくれている。
この先時代が変化しても、カーサミア河口湖は住まうことの新たな価値やあり方を伝える場としてさらに進化していくだろう。

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