石田さん Ishida
お客様の想像を
はるかに超える
感動の空間をつくる。
イタリアキッチンブランド〈ダーダ〉のシステムキッチン設計を担当しています。営業担当がお客様からヒアリングした内容をもとに、プランニングから現場調査、特注品の手配、配管の指示図作成などを行い、納品完了までをサポートします。
2018年12月に取り扱いをスタートした〈ダーダ〉は、アルフレックスジャパンの扱うイタリア家具ブランド〈モルテーニ〉のグループブランド。だからソファやラグを選ぶように、キッチンもインテリアの一部としてコーディネートされるべきという思想があります。つまり〈ダーダ〉のキッチンに〈モルテーニ〉の家具と同じ素材を使ったり、色味を合わせたりすることで、住まい全体を完璧に調和させることができる。ここが、他の輸入キッチンブランドにはない圧倒的な優位性だといえます。
お客様との打ち合わせでも、キッチンだけのプランは少ないです。床の素材やダイニングテーブルのデザインといったインテリアの要素は必ずヒアリングしますが、より上質な空間をつくるために結果として家具も含めたご提案が多くなります。今の提案先は個人邸やモデルルームなどが中心。いずれも高額の案件が多いので、プラン内容はもちろん、図面の美しさからプレゼン時の立ち居振る舞いまで〈ダーダ〉の世界観が全てに貫かれているかを常に意識しています。
〈ダーダ〉の立ち上げで苦労したのは、イタリアのスタッフに日本の文化を理解してもらうことでした。例えば日本のキッチンは生ゴミ受けを兼ねた排水口が一般的ですが、海外キッチンはディスポーザー内蔵型で小さな排水口が主流です。米が主食ではない国のキッチンだから、炊飯器の置き場所もありません。そういった生活様式の違いをクリアするため、日本のシンクや炊飯器を実際にイタリアへ持ち込んで打ち合わせを重ねました。
日本人の食文化やゴミ処理の考え方を丁寧に説明したことでこちらの熱意が伝わり、最終的には日本オリジナル仕様での製造が実現。イタリアのスタッフと誠心誠意向き合い、絶対に妥協しなかったことが、日本での高いクオリティに繋がったと思っています。
これまでキッチンを扱った経験のなかった当社で〈ダーダ〉はまさにゼロからのスタート。文化の違いを柔軟に受け入れ、サポートしてくれたイタリアのスタッフをはじめ、提携の仕入先や職人の方々など、本当に多くの人に助けていただきました。事業が軌道に乗り始めた今も、どんなに忙しくても周囲の人に対する感謝の気持ちは持ち続けています。
前職でもキッチン設計をしていましたが、輸入キッチンを日本の住宅にマッチさせるのは難しいと感じていました。日本の厳しい建築基準のもとでは再現できない仕様が多く、ブランドの個性が全く出せない、という状態になりがちだからです。
でも〈ダーダ〉は〈モルテーニ〉グループの技術力と柔軟な企業姿勢があって、細かなパーツまでオリジナル製造することができるし、元々デザインの完成度もものすごく高い。だから日本に持ってきても本国と同じ美しさを保っていて、それは当時の僕にとって衝撃的なことだったんです。これまでずっと設計の仕事をしてきて、いずれは世界のトップブランドで、困難は多くても自分を成長させたいと思っていました。
当社でお客様にプランのご説明をしていると、その方の興奮や高揚感がひしひしと伝わってきて、自分たちの提案に心から期待してくださっていることを実感する瞬間があるんです。その思いに必ず応えよう、という気持ちは何よりモチベーションになりますし、さらにその上を行く感動をお届けしたい。
求められるレベルは高く、日々苦労も絶えませんが、今まで日本では誰もつくれなかったインテリア空間を実現しているという自負を持って、これからも挑戦し続けたいと思います。