鈴木 マサル
テキスタイルデザイナー
自身のファブリックブランド OTTAIPNU(オッタイピイヌ)のほか、
国内外の様々なメーカー、ブランドのプロジェクトに参画。
家具とテキスタイルデザインの楽しさ、をテーマに製作された3種類のカバー。「とにかく『攻める』気持ちで生地を選んだ」という言葉通り、鈴木氏のテキスタイル作品をパッチワークのように配したDANCE。動物たちがポップに描かれたPARKと、ドットのズレが新鮮な表情を生むBALLOON。「モダンデザイン」と「カワイイデザイン」の心躍るコラボレーションが実現した。()
Designer’s Voice
ずっとインテリアテキスタイルの仕事をしてきた私ですが、何故か椅子張り
には縁がありませんでした。それが今回いきなりアルフレックス、しかも名作ソファ〈マレンコ〉のカバーをデザインするという、まるで「初土俵で横
綱と対戦」のようなまさかの展開となった訳です。
初回の打ち合わせでアルフレックスのショールームを訪れた時、ビシッと洗練されたモダニズムが空間を支配していて「こんなクールな空間に自分の何
というか、キャンキャンした様なデザインなど入って行けるのだろうか?」という思いと同時に、経験した事の無い領域に自分のある意味、カワイイ
(?)デザイン が展開して行く事への期待で胸が高鳴りました。
今回、異なる技術で作られた3種類のテキスタイルをご用意しました。それぞれのテキスタイルに包まれた〈マレンコ〉は、皆さんの知っているあの
クールな〈マレンコ〉とはまったく別の姿を見せることになるでしょう。
クールというカテゴリーに収まらない色柄が空間を漂い、人の心の中で揺らぎ、高揚させ、形にならない感覚が新しいリアリティーとなって生活を、そ
して環境を変えていくのです。「モダンデザイン」と「カワイイデザイン」が絡み合い、テキスタイルにより、ソファが、環境が、劇的に変わっていくその瞬間。皆さま、ぜひご高覧
ください。
鈴木 マサル